接着の基礎Ⅰ

接着の基礎Ⅰ

1)プライマー処理

プライマー処理(下塗り剤)は、被接着剤表面の接着性を改善するために塗布する不揮発分の少ない低粘度の液体である。薄く塗ることがポイント。充分に乾いたところで接着剤を塗り重ねる。被着材に応じてプライマーの種類は異なるまた 接着剤、シーリング材の種類によりプライマーも異なるため、指定のプライマーを使用する。プライマーの機能には接着性改善のほか、表面処理後の表面安定化、金属表面の防食、粘着性の付与、接着剤の劣化防止などの用途に よっても種々の添加剤が含まれている。

2)機械的処理

機械的処理は、研磨紙、研磨布、ワイヤブラシ、サンダー、サンドブラストなど用いて被着材表面を研削して接着性を改善する手法である。表面は内部と異なる状態にあり、金属は弱い酸化被膜層が、プラスチックやゴムは離型剤や配合剤のブルーム、木材では表面疏水化など、接着には適さない状態になっているので、この層を除去して接着に適した表面にすることが目的である。処理後は速やかに接着剤を塗布して接着する。

3)化学的処理

難接着性表面の改善或いは、耐久接着を実現するために薬剤を用いて表面を処置する方法である。難接着性プラスチックスを含め科学処理は 「JISK6848」 にその方法が示されているが、実験室ならともかく現場では実用的ではないと考えられる。ただし、機械的処理の困難な敬軽薄形状部品などでは、信頼性の高い接着を得るために化学的処理を行っている。航空機のアルミやチタン合金で接着前処理としての必須工程になっているのは耐久確保のためである。

4)物理的処理

主に、プラスティックスの表面改質に用いられる処理で以下3つが代表的な方法である。

①紫外線照射処理
エネルギーの強い短波長の紫外線を利用する方法であるが、プラスチックスの種類によって吸収度が違うため、確認が必要である。

②コロナ放電処理

固定電極と誘導体でカバーされた設置ロール間に高周波の高電圧を印加し、発生するコロナ放電の中をプラスチックスを通過させて処理する方である

③プラズマ処理真空中で処理ガスを用い、グロー放電により表面改質をする方法であるが、装置の関係から工業的利用は一部に限られている。