接着の基礎Ⅳ
接着剤の種類
接着剤の種類は4つに大別されます。
1.用途による分類、2.主成分による分類、3.着体(被着体も含む)による分類、4.固化の仕方による分類です。用途による分類は、通常の「接着剤」のほか面的に埋める「パテ材」や線的に埋める「コーキング材」とされている。 固化の仕方による分類は、接着剤の水分や溶剤が蒸発することにより固化する「乾燥固化型」、化学反応により固化する「化学反応型」、熱を加えることで軟化し、常温に戻すことで固化する「熱溶融型」、粘着性を保ちながら固化せず、圧力により反応する「感圧型」がある。
ここでは、2.の主成分による種類分けを示す。
- シアノアクリレート系接着剤
これは「瞬間接着剤」として市販されており、僅かな水分と反応し殆どの場合、数秒で固化する。接着面が平らな場合は効果を発揮するが、凹凸がある面では効果が見られない。
使用材料・・・硬質な材料に向いてます・・ガラス・金属・陶磁器・プラスチックス・医用等に使用。
特 徴・・・接着時間が短く、仮止め的な使用には便利です、また引張には強い。 - 熱硬化性樹脂系接着剤
主剤と硬化剤からなり、2液を所定量で混合し、化学反応により、若しくは加熱により硬化する。硬化時間が長い種類ほど接着強度の高いものが多い。
使用材料・・・金属・ガラス・陶磁器・タイル・コンクリート等広範囲に使用可能。
特 徴・・・耐熱性・耐水性・耐油性に優れており、強力な接着力を発揮。 - 熱可塑性樹脂系接着剤
常温では固形のものを加熱溶融させて塗布し、冷却によって固着する接着剤。専用のアプリケーターを必要とする。
使用材料・・・紙・布・プラスチックス
特 徴・・・リサイクル性が良行。 - エラストマー系接着剤
ニトリルゴム系と合成ゴム系とに分けられるが、弾力性、柔軟性がある。
使用材料・・・ゴム・木・皮皮革・ビニールとゴム(ニトリルゴム系)
特 徴・・・固化後のある程度の弾性を維持。 - エマルジョン系接着剤
合成樹脂などを水に乳化、分散させたもので親水性がある。
使用材料・・・紙・布
特 徴・・・取扱いが比較的簡易で、特殊な防護等は必要ないものが多く存在。